2002年10月〜2003年1月
バニヤタール村のチョウタラ
昨年夏には、バニヤタールの純真な子供達の姿や前向きな学習意欲に感動し、今回2ヶ月ぶりの再会を楽しみに訪問されました。所が丁度ネパール最大の祭り「ダサイン」にあたり子供達は親元にかえっていて 留守。引き続きゼネスト。村に戻ったとたんのマオイストによる学校閉鎖命令で、子供達は3週間のブランクからすっかり学習意欲を失っているように見えたそうです。
学習面だけではなく生活面からも共同生活としての規律は乱れ、落ち着きのなさが気になり、それと、前回から感じていた貧しい食生活に改善はなく子供の健康に懸念を抱かれたそうです。外国からのゲストが頻繁にありその時は俄かに全員集まりセレモニーをするのですが、そのようなことも子供から落ち着きを失わせているかもしれないと考えておられました。Fr.Jamesは子供達の寮生活のこと、地域の住民のこと、教会活動のことの世話を1手に引きうけ、その活動を潤滑にするための必用手段として、土地を得、建物を建てる準備に忙しく、じっくり子供達、地域住民に、今何が必要とされているのかを考えるゆとりがないように感じたということです。
神父には随分寄付金が集まっているようで、渡辺氏もついお金を出しましたが、お金がなければないで現状の中で出来る事から考えなければなりませんが、お金があればどのように運営するかが問題で難しいものです。寮生活ひとつを考えても、役割分担による掃除整理整頓、年長者と年少者との絆など生活向上、学習意欲に結びつく方法が建物造りより先にいっぱいあるのではないかと気になったそうですが、バニヤタールはFr.Jamesの考えで運営されている訳で、私達が神父に意見を言える立場ではなく気が滅入ったそうです。 今回の渡ネでは、自己満足さえ出来ず、焦燥感にかられ、これでは今後の活動は出来ないかもしれないとさえ考えながら帰国されました。
しかし、最後には、根っからの子供好きで、「恵まれない子供達のために」という事から始めたこと。今回でも何人かの子供達と希望の持てる出会いがあり、あの子たちの成長に希望はありますし見届けたい気持ちもあると、話してくださいました。
多分、また、自分が蒔いた種が芽を出したかどうか、バニヤタールを訪れることになるでしょう。ともおっしゃっていて私もほっとしました。