ジェームス神父.リストラ回避経過

通信12号でジェームス神父の危機について触れましたが解決しました。

2004年の6月下旬。ジェームス神父より音信が途絶えました。最後のメールは「本年度の仕事計画と予算をイエズス会の上層部に計上しました。」という便りでしたので、案が通らなかったかなという懸念はありました。
9月に入って、モティさんとシスターミリアム金谷から相次ぎ「ジェームス神父に転勤令が出されたけれど、神父様は拒否しバニヤタール住人からも転勤反対運動が起こっている」というメールが届きました。毎週末そのための会議が開かれているのだけれど決定に至らないということでした。
ことの成行きを順番に整理してみると
1.ジェームス神父のBaniyatar & Tipling救済計画は大きすぎイエズス会はバックアップ出来ないからと7月に活動中止命令が出された。
2.貧しい人々を置き去りにして今中止出来ないと神父は訴え経費の支払いが出来ないまま活動を続けた。
3.イエズス会は最後の手段として神父を宿舎から追い出し神父生活の支援をストップした。
4.神父はバニヤタールで寝泊りし電話もパソコンもなく、メールもインターネットカフェまで出かけて送受信しなくてはならなくなった。
5.10月6日、突然神父から私のところに「危機に瀕している。お金を10月9日にトレッキングに来るレヌ―神父に託けて頂けないか?」というメールがくる。
6.危機といっても幾らのお金がいるのか分からないまま、10万円をレヌ―神父に託す。レヌー神父には事情を話し、ジェームス神父から事の真相をしっかり聞き出して日本に戻られてから私に伝えて下さいとお願いする。
7.ジェームス神父から、「お金を受け取りました。生徒達の学校の授業料、LSHとLaliguransのために使う事が出来感謝します。」とメールがありました。そしてイエズス会からの要請と自分の使命とのギャップなどの苦脳についてメッセージがありました。

8.帰国したレヌー神父に会って話を聞いたところ、神父は苦境に立っているが、私たちの力ではどうすることも出来ない事情を聞く。
9.「ジェームス神父の仕事は立派で重要であってもイエズス会が目標に掲げる仕事の範疇から逸脱するようであれば,貴方はイエズス会に属する以上仕事を断念しなければならないのではないでしょうか?仕事を続けたいならばイエズス会を脱会しなければならないのではないでしょうか?それでは莫大な費用が掛かりますが寄付をしてくれるグループを持っていますか?私たちはこれまで以上のことは出来ませんよ。イエズス会からのバックアップなしで仕事を続けるのは無理ではないですか?」とメールを出す。
10.12月6日。「上層部の誤解は解けてイエズス会に留まりながら仕事を続行できる許可が下りた」と、ジェームス神父より喜びのメールが届く。 

仕事を続ける許可が下りたことを知らせるメールの要約。(12月6日)
神様がついに私を助けてくださいました。
昨日バニヤタールで、地域の住人・上司であるマシュ―神父・私とで2時間のミーティングがもたれました。
そして私がこの仕事を続けて行く事を許されました。1年間やってみてその結果その先のことが決まります。
イエズス会には留まり私は生活のケアを受けられますが、生徒の寮(LSH)、教育、ラリグランス保育園についての費用は寄付を募らなければなりません。

LaliguransClubで支援してくださる保育園というのはバニヤタールの保育園ですか?それともチプリンの保育園ですか?
バニヤタールのラリグランスは今や私の手からはなれSr.Miriam(ノートルダム修道院)で運営されていますが、ここでは月謝をはらい勉強が出来る子どもが対象になっています。今必要とされているもっと超極貧の子ども達と親たちが援助を求めています。

Nepalではいつもあらぬ噂が飛び交い、この度も地域の住人と私はそれに翻弄されました。
昨日マシュ―神父は、これまでの誤解による無理解を明瞭にすることが出来、これから頑張る様に大変勇気付けてくださいました。

どうぞ、問題を明瞭化できるように又メールを下さい。

私は次のようなメールの返事を出しました。

DearFr.James
Emailをありがとうございました。とっても良いニュースで嬉しかったです。
Fr.Mathew was very encouraging since it clarified misunderstandings and created more good will.(マシュ―神父は、これまでの誤解による無理解を明瞭にすることが出来、これから頑張る様に大変勇気付けてくださいました。)
と言う事でFr.Jamesのお考えが正しかった事が証明されました。本当に良かったです。
しかしHe has allowed you to continue the work at least for a year.(彼は1年間だけ仕事を続けることを許した)ということでしょう?
Only one year(たった1年)であなたの理想とする環境の土台を作る事が出来るでしょうか?心配です。
1年後も仕事を継続して行くためには間違いの無い仕事を確実に実践しなければなりません。

まず、貴方のextremely poor families(極貧の家族)に対する救斉活動のヴィジョンと計画を多くの人にはっきり示し、そのためにどれだけのお金を必要とするのかを具体的に公開して協力を得る必要があります。
そして、協力者を確保してから行動に移すべきです。
資金調達の約束を得てから行動に移します。支援のあてがないのに行動を起こしてはいけません。返すあてがないのに借金を決してしないようにして下さい。
全ての計画が出来なくても我慢をして出来る事だけを確実に丁寧にしてください。
そして活動の経過報告、経費の明細報告を支援者には報告する義務があります。
このような積み重ねが支援者を生み増やして行く事に繋がるのです。
頑張ってください。

Laligurans Clubの2005年度の支援は
1. BaniyatarのLaliguransCareCentreへの支援。1年分のレンタルルーム代とミルク代
  幼児教育に対する考え方はFr.Jamesの考えもSr.Miriamの考えもどちらも間違ってはいないでしょう。
  私はFr.Jamesの考え方に賛成ですがBaniyatarのLaliguransへの支援を今止める事は出来ません。
2.BaniyatarのKnittingProjectへの支援
3.TiplingのLaliguransCareCentreへの支援。
  子ども達のミルク代を支援しましょう。カジャの時に供給する1年分のミルク代は、どれぐらいかかるのかきちんとした計算と金額を知らせてください。

大変厳しい事を書きましたがお許しください。今後のFr.Jamesの活動がうまくゆくように意見を言いました。
金銭的に大きな援助が出来ないのに偉そうな事を言ってお許し下さい。

The society of Jesus に残ることになって本当によかった。The society of Jesusは 貴方のFamilyです。
貴方はあなたのFamilyに愛されてこそ Poor Familyへの愛の行ないが出来るのです。

いつも、Fr.Jamesが神様からの庇護を受けられますよう祈っています。

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