ラリグランスクラブのネパール教育支援のあり方を考える。

これまでの支援のあり方を振り返ると

ラリグランスクラブでは、保育園の支援と編み物による女性自立プロジェクトの他に、山岳地帯から預かった少年達のケアをするジェームス神父を支援することを続けてきました。
しかしジェームス神父が行ってこられた活動は余りにも大きくて分かりにくく、私たちの支援の実態が掴めないので、1年前から少年達の中から数名を選び奨学制度を作る事を提案していました。
その具体的な提示がないままジェームス神父は2005年5月私たちの渡ネと入れ違いに転勤させられました。

これからの支援のあり方

後任のデービッド神父にはこれまでの経緯を話し奨学制度について賛同を得て実現に向けて動き始めました。(通信17号18号参照)
ところが奨学生を育てていくための具体的なルールを提示した所で神父と意見が合いませんでした。
神父からの要望は、ラリグランスクラブが奨学生たちと接触したりその活動に直接参入することは出来ないということでした。
そのことは神父を信頼しお金だけを渡して私たちは実態を把握出来ないということになります。

デイビッド神父が、これまでのジェームス神父の救済活動のあり方を変え、初心に戻り、間違いのないように1歩ずつ着実に作り上げようと努力されている事はよく理解出来ました。
そのような時にクラブが奨学制度を作り一部の生徒と接触すれば混乱が起こることを懸念されるのも分からなくはありません。
ジェームス神父からは子供達をとにかく助けてやってほしいとのメールが届きます。
両神父の意見が真っ向から二つに分かれてしまいました。

色々考えたのですが混乱を避けるために、教育支援についてのプロジェクトは神父たちから距離を置きラリグランスクラブ独自で考えていくことに決めました。

神父を通して行うバニヤタール村での奨学制度(案)は中止することに決めました。

独自で考えるLaligrans Coarching School設立(案) キャンペーン

これまでホームページの通信で何度も取り上げてきたようにネパールの教育システィムは貧困層家庭において過酷なものです。
それについては、とくに通信10号のスマナ・シュレスタさんの報告を参考にしてください。

ネパールでは10年生を終業後SLCという高校卒業認定国家試験に合格しないとどこにも進学できずどこにも就職できません。そのために親は無理をしても子供を私立学校に行かせたがります。
ちなみに2000年の合格率は、私学からは83.43%公立からは37.25%でした。

SLC試験の合格率(1990年〜2001)

受験生の数

合格数

合格率 (%)

1990

100382

48656

48.47

1991

94534

23213

24.56

1992

77455

24394

31.49

1993

79420

24856

31.30

1994

79588

34197

42.97

1995

90458

34642

38.30

1996

116002

42359

36.52

1997

113257

53846

47.54

1998

139202

68488

49.20

1999

205539

93978

45.72

2000

132210

41801

31.62

2001

152334

41565

31.22

2002

170389

54607

32.05

2003

175417

81008

46.18

[Source: Ministry of Education and Sports, Nepal (2005)]


SLC合格などは望まずせめて読み書きだけはと、やっと公立校に通わせてもらっている子供の中にも能力のある子供がいます。
そんな子供達のためにSLC合格をめざす無料塾を立ち上げようかと思うのです。

最初は実績をあげるために少数(5〜6人)精鋭主義で行います。土地はモティさんが無料提供してくださいます。優秀な教師の当てもあります。
建物をラリグランスクラブで建てます。

目標額は200万円。建設費はu2万円前後だそうです。

しっかりしたプランを立ててから、建設資金募集キャンペーンをして寄付を募る予定です。
これまで皆様方からのご理解と絶大なご協力があったからこそこのような大きなプロジェクト実現が可能ではないかと考えました。

これからもみなさま方の知恵とご協力をお与え下さい。

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