ラリグランス通信 32号

2007.6.15.発行



[野生馬] ジョムソンにて     撮影SONOKO

天候が定まりません。

寒かったり暑かったり日照りあり豪雨あり。

ネパールも雨期に入り鬱陶しい日々の中

新政府の六月に予定されていた選挙は予想通り流れ

学校閉鎖のバンダが相変わらず行われ

軍とマオイストとマデシの凄惨な殺戮は続き

ネパールの平和について何時になればうれしいコメントが出来るのでしょうか。





32号目次

32号 目次 No.32 Index
ネパールでの活動報告 
* ネパールの教育現場
* 新しい奨学生

Activities in Nepal 
* Educational site in Nepal 
* New Scholarship Child
日本での活動報告 
* ノートルダム小学校で茶話会
* 寄付金
Activities in Japan 
* Tea party at NotreDamePrimarySchool
* Donation
3  モティさんからの報告

The Report by Moti Ghimire

      
4  嬉しいお知らせ Good News !
5  あ と が き Rostscript



 ラリグランス活動・・・ネパールで 

ネパールの教育現場は大混乱。
ネパールでは暫定政治も行われず公約された制憲議会選挙も延期となり相次ぐバンダ(ストライキ)で経済は国は揺らいでいます。

2週間も学校閉鎖が続き、ラリグランス保育園も休園で識字教室も休みです。文字を勉強したいというお母さんたちも落ちつかず足並みが揃いません。
ネパールでは4月中旬のお正月から新学期が始まるのですが学校閉鎖が相次ぎ学生達の学ぶ意欲が削がれます。
ネパールを背負って行く子ども達の教育現場がこのような状態ではネパールの未来に希望が見出されません。

優秀な人材は次々と外国に逃れていくのも無理ないと思われます。
ラリグランスクラブではそんな状況の中でも学びつづける子ども達を支えて頑張っています。

 新しい奨学生
新しい奨学生が決まりました。名前はルパック アリャル君。殆ど(90%)盲目の少年です。現在村の公立校7年生に通っていますが点字の勉強をしなければならないのに村の学校では学ぶことが出来ません。カトマンズの学校で点字を学ぶには経済的に無理です。そのことを知ったモティさんはサポートの必要を感じ相談の結果奨学生として認定しました。

このことはモティさんからの報告で詳しく記述されています。
ラリグランスクラブとの出会いがあり彼は点字の勉強が出来るようになりました。
ルパックとその家族は大喜びです。私達も役に立つことが出来大変嬉しいことです。

ラリグランス活動・・・日本で

ノートルダム学院小学校で茶話会

5月24日(木)京都のノートルダム学院小学校のボランティアサークルに招かれました。
ボランティアサークルでお話しをさせていただくのは今回で4回目です。

私のボランティアに対する考え方をラリグランスクラブの活動にそって話しました。
要するに”高い目標を掲げてそれに向かって活動するのではなく、救いを求める人々との出会いを最優先し今持っている力で出来るサポートを速やかに実践する”ということを、やんわり話しながら美味しいお茶とケーキを頂いて、楽しい時を持たせていただきました。

今年もノートルダム学院小学校の秋のバザーでは、サークルのメンバーの協力を得ながらネパールの編物プロジェクトの編物作品とネパールグッズを販売する予定です。

6月5日(火)サークルのメンバーの庭に沢山咲いているラベンダーでバザーで売るためのラベンダークラフトの講習をしました。
ラベンダーバンドルズという飾りです。(写真参照)
一体バンドルズとはどういう言う意味なのか話題になりました。










 通信31号以降のサポーターの皆様
   *寄付金協力 [  匿名希望者様2名 ]
   *販売協力  [ 稲富千佳子様 本田ゆう子様 折井恵子様 レストラン・ヒマラヤ ] 


2007.6.13.

昨日私はこの間お知らせした90%盲目の少年に会いました。(写真右) 父親がダディング村から少年をここに連れてきました。
家族から4人もの障害者を出しているという信じがたい不幸なことは事実でした。
6人の子どものうち3人が息子で3人が娘です。
そして彼等のうち2人の娘と1人の息子が聾唖で1人の息子が盲目です。2人の娘だけが正常です。
聾唖の3人の子ども達は「friend of needy children」というアメリカのグループのサポートを受けて聾学校で勉強をしています。
末っ子の盲目の少年は村の学校に通っていますが点字を学ぶことが出来ません。そのためにはカトマンズの盲学校に行かねばならないのですが経済的に無理です。それで親は色んな所を援助を頼み歩きましたが叶わなかった所、今私に会う事が出来たのです。
子ども達は次の通りです。

  

名前 年齢 学年 学校
  レニュー・アリャル(娘) (左から2人目) 22歳 11年生   スリジャナ聾学校 、ポカラ  
  スマン・アリャル(息子) (左端) 20歳 9年生   Naxal小聾学校・カトマンズ
  ラム・プラサド・アリャル(息子) (右から3人目)   18歳 10年生   Naxal小聾学校・カトマンズ
  サミタ・アリャル(娘) (左から3人目) 17歳 11年生   カトマンズの普通校
  ラスミタ・アリャル(娘) (右から2人目) 15歳 10年生   ダデリング村の普通校
  ルパク・アリャル(息子) (右端) 12歳 7年生   ダデリング村の普通校

サポートを受けたルパクは点字を学ぶためにカトマンズの学校に移ります。彼の村での友達がLaboratorySchoolに通っているので彼は同じ所に行きたいという希望を持っています。
私は父親に「何故そんなに沢山子どもを作ったのですか?」と尋ねました。彼が言うには「最初の3人は聾でした。私達は正常な男の子が欲しかったのです。所が次もその次も正常だったけれど女の子でした。どうしても男の子が欲しかった。そして遂に男の子が生まれたら正常でなかった訳です。
こうして6人も子どもを作ったのに望みは叶わなかった」ということです。

カトマンズの学校の寮の費用と月謝とで月に4000ルピー必要です。学校が3000ルピーに値下げしてくれたので3000ルピーかかります。当初1800ルピーということで奨学金を考えましたが、それでは学校に通えないということなので、日本本部と相談の結果3000ルピーの支援をすることに決めました。

モティさんの娘さんアヌ―ちゃんがS.L.C.試験(高校卒業認定国家試験)でトップグループに合格しました。
ネパールではS.L.C.試験の合格点がそれからの人生を決めるほどの権威を持っているのでみな教育熱心です。
S.L.C試験の合格点レベルで次の段階の学校の選択が決まります。
アヌ―ちゃんはトップレベルの学校の入学試験を受ける資格を得その中でも選りすぐりの2校を受験し合格しました。
440人の選ばれた受験生のうち120人が合格したそうです。

停電が毎日の様にある中ロウソクの灯の元で勉強していたアヌちゃん。土曜日にはお母さんを手伝って床の雑巾がけに精を出していたアヌちゃん。韓国ドラマ「冬のソナタ」に夢中だったアヌちゃん。

Congratulation!おめでとう。

お祝いの言葉と同時に、試験に合格する事は、将来一人の女性として自立し健全な生活を営む事が出来るための手段であり、合格する事が目的ではないということを伝えました。






 あ と が き 

モティさんからの報告を聞いて

2月にカトマンズで聾の人々が経営するレストランに行った事を思い出しました。

従業員全てが聾ですが他の店にはない素晴らしいマナーとサービスに感動しました。

助け合い精神のお蔭で行方を阻まれた人を支援出来るとは嬉しいことです。

現地スタッフのモティさんの働きに感謝です。

ホームページ作成 五十嵐園子
ホームページアドレス http://laligurans.com/
郵便振込口座
名義:ラリグランスクラブ
00960-7-244821

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