ラリグランス通信 37号

2007.12.5.発行



比叡山ケーブル軌道 (於:京都)    Photo by SONOKO




季節の移ろいを告げる樹々は美しく紅葉し散って行きます。

自然の営みに夜間照明などといった人工的な手を加えちゃいけないと思います。


地球温暖化の影響でネパールが危ないという記事がありました。

ヒマラヤの降雪量が減り雨となり氷河を解かし大洪水の危険があるそうです。

コイララ首相が日本に支援をよろしくと言ったそうですが

ネパールの政治家達、国の危機をなんと考えているのか。




37号目次

37号 目次 No.37 Index
ネパールからの活動報告 モティ・ギミレさんの報告 
*ディリさんの病気
*アシャちゃんの病気
*奨学生たちの様子
*識字学級の様子
Activities in Nepal (By Mr.Moti Ghimire )
* Dil’s illness
* Asha’s illness
* Scholarsip Children
* WEP( Woman Education Program )
日本でのラリグランス活動報告 
* ガレージセール
* 寄付協力
Activities in Japan 
* Garage sale
* Donation
 スマナのコラム ( No.4)  Sumana’s  column ( No.4 ) 
 あ と が き   postscript

報告:モテイ・ギミレ
   

 ★ ディリ・クマリさんの病気  
去年から溶血性貧血に伴う胆石で闘病しているディリさんの容態はその後小康状態で薬を服用し経過を診ているところです。
治療には輸血が必要だったのですがネパールの病院には血液はなく、患者側で用意しなければなりません。
カトマンズの血液バンクだけでは足りず13Kmはなれたバクタブルの血液バンクまで行って買い求めました。
おかげでディリさんは持ちなおし「もう死ぬんだと思いましたが、こんなに元気になりました。クラブの皆様に感謝します!」とおっしゃっています。

【五十嵐注:去年からの経過をみて友人の医師に解説していただいたのですが、ディリさんの病気は要するに血液が血管の中で溶けて壊れ赤血球中のビリルビンが大量に溶け出て、それが黄疸の原因なっているそうです。ビリルビンは肝臓で処理されて胆汁中に排泄されるのですが、その量があまりに多いので胆汁の中で石になって固まるということです。一度血液内科の専門家に見てもらう必要がありますと言うことですので,来春ネパールに行った折モテイさんと相談しながら今後のケアを考えます。】

 ★ アシャちゃんの病気
3年前からサポートをしている奨学生のアシャちゃんが学校で突然倒れたのですが誰も彼女の面倒を見る人がないので、校長先生から私のところに連絡があり駆けつけました。突然の呼吸困難に陥ったというのです。

クラブでは原則的に学資のサポートだけをすることにしていますが私は彼女を見過ごす事は出来ず病院に運びました。12歳にも満たない幼いアシャちゃんがお祖母さんと弟のケアをしていてストレスから倒れたことがわかりました。心因性パニック症候群だそうです。
病院でレントゲンを撮り酸素吸入をしてもらい(写真1)ました。
専門医がおっしゃるには両親がいなくて彼女の苦しみを取り去ってあげる事が出来ない場合によく起こる病気で先進国でもみられるということでした。
それで少しでも家庭の温かさに触れさせてあげたくて私の家に連れて帰り話しを聞かせたりして安心させました。
翌日にはすっかり落ちついたので学校に連れていきました。
アシャちゃんは今2学期の期末試験に向かって勉強をはじめました。


'(1) (2)

アシャちゃんの報告を聞いて思った事  五十嵐
アシャちゃんの家は通信33号の側溝を工事した写真がありますがとても粗末です。
2学期の期末試験が始まったそうですが、アシャちゃんはお祖母さんと弟の世話で勉強が出来る環境ではないのに1学期は学年4番の成績優秀者です。
写真1を見ると1月に会った時とくらべて顔がむくんでいるように見えるのが気がかりです。
通信33号でのレポートにあるようにネパールではカースト間での根深い差別がまだまだ多くあります。最下層ダリットの子供を上層階層のモティさんが家に入れ世話をしてあげるのはネパール社会では稀なことでしょう。
モティさんの息子のアキオ君もごく自然にアシャちゃんと楽しそうに遊んでいます(写真2)。
アシャちゃんはどんなにか嬉しく思った事でしょう。
アキオ君とアシャちゃんが仲良く遊ぶ様子を見て涙が出ました。


★ 奨学生の様子

*クリシュナさんのその後

通信29号で紹介した奨学生のクリシュナさんは勉強と研修に励んでいます。来月最終試験が行われるそうです。
研修では日本人の今村医師が設立した病院で働いています。
学業を終了後今村病院で働く事が出来るとどんなに幸せな事でしょう。
彼女の努力が実るように願いサポートを続けます。










* 盲目の少女・マドゥさんのその後
マドゥちゃんは音楽コースで元気に学んでいます。先生の話しによると音楽の成績も大変良いとのことでした。

奨学生をケアをするなかで分かった事  モティ・ギミレ
スカラシップの事業は大変うまく運んでいます。みんなサポートを受ける事を大変幸福に思っています。
私は少なくても月に2回彼等の所を訪ね学校の先生達に会い勉強の進み具合を知るようにしてきました。
しかしこの5〜6ヶ月、勉強以外の状況に目が行き最初とは違った感情と見聞を広める事になりました。
私は彼等の生活の困窮さをはっきり身に感じとるようになりました。
特にディリさんやアシャちゃんの病気にかかわたことで、私がこのような仕事ができることを誇りに感じる事ができました。


* WEP(識字学級)のその後

WEPの生徒達は大変意欲的に勉強に取り組んでいます。
みな口をそろえて日本のサポーターは何時来るのか尋ねます。自分で名前が書ける様トレーニングをしています。文字は中々形になりませんが名前が書けるという事が望みでありそこに本当に幸せを感じる様です。
私はここにWEPを開いてよかった、とてもいい活動だと思えました。
先生もWEPのお蔭で仕事を得られに本当に喜んでいます。彼女はサラリーでコンピューターの勉強を始める事が出来ました。SLC試験の後経済的理由で看護学校に進学できなかったけれど、自分を認めてもらい看護師の専門学校に進学したいという夢を持っています。
(1) (2)
(1)先生  (2)生徒たち(お母さんと一緒に学ぶ2人の子どももいます。)

ガレージセールを終えて

11月23日。今年もお隣の稲富様のガレージをお借りしてガレージセールをしました。
私は風邪を引いて最悪の体調でしたが、スタッフの協力で滞りなく楽しく出来ました。
今年は行きかう人々が少なかったのですが、4万1千400円の売り上げがありました。
大学祭2日目の売り上げに匹敵する額で努力の甲斐がありました。
カモシカポーチと寄贈品が売れ筋でした。
I.KさんK.YさんK.HさんI.T.さんM.Yさんとで、頑張りました。
苦労の割には収入が少ないのですが、毎度の事ながら人々の善意・仲間の結束などお金には代えられない喜びを得る事が出来ました。
打ち上げは韓国料理店で「チジミ」と「サムゲタン」を賞味し(勿論支払いは自前よ)お互いに褒めあい喜び合いました。




 通信36号以降のサポーターの皆様

*寄付金協力
 [  匿名希望者様2名 ]

*販売購入協力  

     ★久堀洋子様 川勝宏子様  森洋子様

  スマナ・シュレスタ記 (撮影モティ・ギミレ)

ティハール 祭り
(写真はモティさんから提供していただきました。)

ティハール祭りはダサイン祭りに次ぐネパールで二番目に大きなお祭りです。

11月の半ばにあるこのお祭りは「光の祭り」または「兄弟姉妹の祭り」とも言われます。
このお祭りは特に女の姉妹が自分の男の兄弟の長命や健康のために祈るお祭りです。
天国の神様であるエムラズを喜ばすお祭りでもあります。

五日間続くこのお祭りの最初の日はカラスに食べ物をささげてカラスに祈ります。
カラスはエムラズのメッセンジャーだと信じられています。

二日目の日は犬に食べ物をささげて犬に祈ります。犬もエムラズのメッセンジャーだと信じられています。

三日目の日は牛に食べ物をささげて牛に祈ります。牛はお金の神であるラクスミの化身であると信じています。ですからこの日の昼は牛に祈り夜はラクスミ女神に祈ります。

四日目の日はマープーザ (自分の体を祈る儀式)をします。この儀式はネワール族だけが祝います。
 マープーザ の日は自分が座っているところの前のスペースに水・油・米粉・ティカ・花などを使いマンダラを作りそのマンダラに祈ります。マンダラは自分自身を表します。そして母さんは自分の娘たちにティカをします。それが終わったら娘たちはお母さんからサグン(ゆでた卵を焼いたものとお酒やヨーグルトを使う)をもらいます。そのとき糸・米を焼いてできたもの(ラワ/白い)・花から作ったものもつけてもらいます。そしていろいろな花(特にマリーゴールド)を細かくしてそれに果物も加えそれを頭にかけてもらいます。このときが一番楽しい瞬間です。
 その後家族みんながいろいろな料理を楽しみます。

この日からお祭りの最後の日まで若者たちが集まりバイロとデウシといわれるイベントをします。
このとき若者達は一緒になって歌を歌ったり、踊ったりして各家からお金をもらいます。
そのお金は個人的に遊びでやっている人は自分のために使いますが、団体でやっている人はその団体でいろいろな開発的な仕事に使います。
この日から夜はろうそくやディヨ(木綿を糸にし油にぬらして作ったもの)をつけるので町が光で輝き、「光の祭り」とも言われるのです。

五日目の祭りの最後の日はティハールのメイン日であり、バイティカ と言います。
 バイティカは言葉どおり自分の兄弟を祝う日です。この日も自分が座っているところの前のスペースに水・油・米粉・ティカ・花などを使いマンダラを作りそのマンダラに祈ります。そして兄弟は姉妹からにティカ(このときのティカのいろは主に赤・黄色・青・緑です)をしてもらいます。それが終わったらサグンをもらいます。そのとき糸・米を焼いてできたもの(ラワ/白い色)・花から作ったものも首につけてもらいます。そしていろいろな花(特にマリーゴールド)とそれに果物も加え頭にかけてもらいます。
 この日は姉妹が兄弟の健康や長命を祈り兄弟にたくさんのごちそうを作り食べさせます。代わりに姉妹は彼らからプレゼントをもらいます。
 
ティハールの時はみんなでカードゲームもして楽しみます。
 
この祭りのときは学校や会社など全部休みになりますのでみんな楽しくお祝いします。


(1) (2) 






(1)は姉(アヌちゃん)から祝福の準備をしてもらっている弟(アキオ君)
(2)は弟からティカを受ける姉
(3)はお祈りの準備が整った姉弟












(3)

                             





通信37号ではネパールでの医療に関連する活動報告があり興味深く読んでいただけたことと思います。

一方スマナのコラムからは今回もお祭りの様子を知ることが出来楽しい通信になりました。

モティさんとスマナさんのおかげでネパールの一般庶民の生活に触れられる記事を載せられるようになり

通信ファンも増えてきています。感想をお寄せ下さい。

   

ホームページ作成 五十嵐園子
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