ラリグランス通信　58号

**　2009.8.3.　発行　**

伝統木工職人　（ブンガマティにて）　２００５．５．　　撮影・SONOKO



ようやく関西地方も梅雨が明けたようです。

ネパールでは雨季に入りました。

異常気象でこの夏はどんな夏になるのやら。

皆様、暑中お見舞い申し上げます！

目　　　　次

報告：モティ・ギミレ　（翻訳　五十嵐園子）

この6ヶ月で５００件以上のバンダ（ストライキ）

以下のバンダの記録は、２００９年の1月から6月までの全国のメディアからの報告をまとめたものです。

ネパールでは、今やバンダがすっかりネパール文化となってしまいました。

この6ヶ月、国中をバンダが駆け巡り、バンダがなかったのは、たった１２日間だけでした。

マスメディアからの情報によると、この1月のすべての日と2月4月は国のいたるところでバンダが起こりました。

5月のはじめに、マオイスト派が政府の第1党から降ろされたことへの抗議の工作として、バンダを起こし、それが定着してしまったようです。他の政党までが陰でバンダを支持する有様です。

地方でも住人が要求を掲げてバンダが始まりました。

主なバンダの方法は道路を閉鎖するストライキです。

バンダによってこうむった被害者が、またバンダを実行して代償を要求するようになっています。

大型車両の輸送者たちのほとんどが困って、頻繁に起こるバンダに抵抗してバンダをまた起こしています。バンダで被害を蒙ったある人は、「ダンクタからカトマンズに行くのに4月は1週間もかかってしまった。このような酷いバンダによる被害は初めてだよ」と言っていました。

このような国中に広がるバンダの拡大は、貧しい人々にとって食料危機を招き多くの犠牲を強いています。

警察の発表によると、バンダは2００８年には254日間発生したということです。

バンダによるストライキは、各政党、少数民族、学生、労働者、ジャーナリスト、貿易業者、教師などによってもたらされました。

今、世界中の学校は、夏休み（南半球では冬休み？）に入っているのではないでしょうか？

先日神戸の孫が夏休みが始まったというのに登校しているので話を聞いてみると、新型インフルエンザによる休校のブランクを取り戻すためということでした。

ネパールでは、度々バンダのために休校になるので、休校を取り戻すための手立てをどのようにしているのか聞いてみましたら何もないとのことでした。
ちなみに7月２７．２８．２９日は、教師による賃上げストライキで3日間休校だったそうです。この3日間で3万の学校が休校になりました。

一体世界の子供たちは年間何日ぐらい登校するのでしょうか？
興味が沸いたのでちょっと調べてみました。


ネパール（カトマンズ）では、年間２３０日と決められているそうで、モティさんの息子さんの小学校（私学）のスケジュールを調べると年間２４３日とのことでした。冬休みは15日〜1ヶ月。夏休みは特別になく、秋のダサイン祭ティハ−ル祭は15日から1ヶ月の休みがあると言うことです。でもバンダなどで休校が多く、規則通りにはおこなわれません。登校日は２３０日よりマイナスになります。


アメリカでは6月中旬から夏休みのようですがどうなのでしょう。ワシントンに住むY・Nさんが、高校で事務をしているという友人のキャロルさんに聞いてくださいました。するとアメリカでは小・中・高は義務教育で年間１８０日が登校日という返事でした。

日本では久堀さんが友人の学校教師に調べてもらったところ、去年は２０１日とのことでした。

登校日の多い少ないが修学にどの程度影響するのか私には分かりませんが、興味深く思ったことでした。

＊ネパールのスカラシップの子供たちについてモティさんからの報告です。

　　写真は、アシャとアヌプとおばあちゃんの家族です。3年前のおばあちゃんは、とても暗い顔をしておられましたが、年毎におばあちゃんに優しい笑顔がみられるようになり嬉しいです。

　　3人肩を寄せ合って生活しています。

　　私は度々職員室の先生の前でアシャとアヌプたちと話しました。

　　アシャは44人中4位の成績で良くなっています。アヌプは22人中１１位ですが、やっと勉強に興味を持ち始めました。アヌプは勉強に意欲を持てばきっと力を出すでしょう。

　　
　　





　

　　殆ど目の見えないルパックは、最近勉強に対して大変意欲が出てきました。

　　彼は点字の勉強も始めました。

　　写真のルパックを見れば以前とくらべ自信にあふれていることが分かるでしょう。

　　スビタさんのCMAの試験は第２段階に高成績で終えました。最終試験は来月末に行われます。

　　彼女はCMA（Care Medical Assistanceの資格を取った後、HA（Health　Assistance）の勉強をしたいと望んでいます。

　　ラリグランスクラブでも支援を続ける事を考えます。

　　盲目のシャルミナは、11年生を無事に終え１２年生の勉強をしっかり始めています。

☆ラビンについて先生訊ねましたが、残念ながら、彼は勉強に対する意欲がなく成績を取ることが出来ていません。来年までにこの調子で勉強に向かわず、成績を上げることが出来ないならば、奨学金を差し止めなければならないことを伝えました。

☆　アニタは病気になりテストが出来なかったので、次のテストは頑張ると言っていました。

☆　マドゥは今試験中で成績の結果は出ていません。でも進級は確実です。

☆　クリシュナ・マヤさんは、ドルリケルのHealｔh　Careで、働き始める事が出来ました。12年生の勉強も続けています。

☆　今、ネパールでは、雨季に入り、農作業が非常に忙しくなり、識字学級のお母さんたちの出席は困難になっています。

★　大木章次郎神父の講演会に参加


　　　32年も前、ネパールのポカラで障害者教育を立ち上げ、これまで尊い活動を続けてこられた大木神父様が、　この度、任務を後輩の神父に引継がれ日本に帰国されました。

　　　
　　　ひょんなことから私が所属している神戸六甲教会で、神父様の「ネパールでの３２年」という演題でお話が聞けることになりました。

　　　神父様を支えてこられたポカラの会（代表・倉光誠一氏＜http://www.pokhara.jp＞）の方々も駆けつけ、大変ユーモアに富み深い内容のあるお話を聞くことが出来ました。

　　　大木神父様には私が1999年12月に初めてネパールに行ったときお目にかかり、影響を受けラリグランスクラブを立ち上げる原点にもなりました。

　　　これからも、お元気で、ご指導をお願いしたいと思いました。

　　＜写真は、2005年にお訪ねした時の大木神父様＞
　　

★ 通信５７号以降のご協力

　　　＊　寄付金・・・匿名希望者様3名

　　　＊　ネパール商品販売ご協力　（折井恵子様）
　
　いつも有難うございます。ご期待にそえる様に頑張ります。　

パソコンを新しくしたのを機会に

ホームページを手直ししました。

トップページの写真を一部入れ替えました。

掲示板をブログ形式に変えました。コメントが書きやすくなりましたので投稿ください。

「私の本棚」と「掲示板」に自動で更新日付けが記されるようになり、写真の挿入が出来るようにしました。

お楽しみいただければ嬉しいです。

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