** 2013.5.22. 発行 **
☆ コイララの花 バルタリ村にて ☆ 2013 .3 photo by Moti Ghimire
ネパールではそろそろ乾季が終わる頃で、5月6月は1年で一番暑い時となります。
今日のカトマンズの気温は最低気温16度ぐらい最高気温28度ぐらいです。
日本国中天候は定まらず、暑くなったり寒くなったりしながらも、新緑が輝く季節が巡ってまいりました。
通信98号もLSGのことを中心にお知らせいたします。
目 次 ( content )
1 | スカラシップの子どもたち |
2 | 2013年 LSGを 訪れて by Yoko Kubori |
3 | ラリグランスクラブ日本での活動 |
4 | 2013年 ネパール小さな旅 by Sonoko |
5 | ネパールの家庭料理 by Shanta Gimire & Sonoko |
6 | あ と が き |
☆ 新しく加わった2名の寮生
5月から新しく2名の寮生が加わりました。
サリタ・タマンさん と サマナさんで、 どちらも6年生です。
よろしくおねがいしま〜す!
マニシャたちと同じラボラトリースクールに通います。
2人ともLSGの仲間と揃って学校に行き勉強が出来ることを心から喜んでいます。
LSG(Laligurans Sewa Guriha)の家族(左からサリタ、マニシャ、サマナ、スナ、ラメシュ先生、クリパ、ブスパ)
サマナ・タマンさん(12歳)の家族
父 タシ・タマン
母 キッパ・タマン
兄 ラム・バハドール・タマン 14歳 公立校の10年生
弟 マンゲル・タマン 10歳 公立校 4年生
妹 スシラ・タマン 7歳 心身症
現在サマナの家族はラリトプルのルブーという所に住んでいます。カトマンズから北にバスで7時間かかります。
これまで彼女はルブーからラボラトリースクールまでバスで通っていました。
バスは一日2本しかなく経済的にも体力的にも学校に通うのが困難になり助けを求めました。
LSGに住み学校に通えることが出来ればどんなにうれしいかということで、LSGに迎えました。
サリタ・タマンさんの(12歳)の家族
父 プラパ・シング・タマン 農夫
母 ディリ・マヤ・タマン 農婦
継母 シタ・タマン
兄 ラメシュ・タマン 22歳
妹 サタ・タマン 9歳
妹 プラミタ・タマン 8歳(シーンレス)
義理の弟 が 1歳
彼女は、5年生になるまでTrinetra Blind Centreに住みながら勉強をしていましたが、去年サポートを断られました。
それで村に帰ったのですが村には盲学校がなく、家で雑用をすることしか出来ませんでした。
彼女が勉強をサポートしてくれる人を捜していることをモティさんが伝え聞き、話を聞きました。
彼女の兄が「ここでは勉強を続けることが出来ないので、もし支援を受けることが出来るならどんなに嬉しいか」と言ったので、「LSGに住んで学校に行きますか」と話すと、大変喜び、すぐにサリタと一緒にカトマンズにやってきました。
家はカトマンズから東にバスで8時間の所です。
☆ 奨学生の様子
*アシャ・・・・・・・・10年生に進級できました。
*アヌプ・・・・・・・・・6年生に進級できました。
*シリスティ・・・・・8年生に進級できました。
*ビシャル・・・・・・7年生に進級できました。
*シーンレスのスナ・・・・・・・・79.2%の成績で7年生に進級できました。
*シーンレスのマニシャ・・・・・80,3%の成績で7年生に進級できました。
*ルパック・・・・・・・・・・・・・・・・12年生を終え田舎に帰りました。つぎの進学先が決まる8月ごろまで田舎にいます。
写真は音声パソコンを上手に利用するマニシャです。
報告 久堀洋子
視覚障害者の寄宿舎LSG(ラリグランス・セワ・グリハ)の様子
LSGは、カトマンズ西南の、ネワール族の古い町キルティプルにあります。モティ家から、タクシーで40分ぐらいかかります。
カトマンズからオールド・バスパークを経て、新しくできた農産物の大きな市場のそばを通る頃から、一気に車の数が減って、空気もぐんと良くなり、登り道になります。緑の畑が広がり、牛ものんびり草を食べています。トリブバン大学の近くを通り、彼らの通学するラボラトリースクールを通り、大きな池が現れたら、もうすぐ!自動車道から、ちょっと入った畑の中に、LSGの三階の建物がすっくと立っています。
昨年、LSGは建築物も完成し、寮母さんも決まり、3人の視覚障害者を迎えてスタートしました。この活動が始まるまで、5年の歳月がかかっています。そしてこの「ラリグランス通信」には、毎号にその経過が書かれています。
ネパール滞在3日目に、予告なしでLSGを訪問しました。
寮母のブスパさんと娘のクリパが迎えてくれました。
マニシャとスナは学校で、ルパックだけがいました。ブスパさんによれば、「子供たちは仲良く助け合って、娘にも妹の様に接してくれる。こちらからの指示もすぐ守ってやってくれる。」ということで安心しました。
キッチンも清潔できちんと片づけられていて、床もお掃除が行き届いていました。
2階のベットルームは、ベットサイドの衣服用の棚も畳まれた服がきれい整頓されていました。
学習室の棚は、点字本や個人の点字されたペーパーで一杯になっていて、棚を増やすことにしました。
今回のLSG訪問の目的は、つぎの3つです。
◎「パソコン設置をしたのでどう使われているか」
◎「シルバーカレッジの英語点訳グループの点訳本3冊を届ける」
◎「子供たちと一緒にゲームをする」ことでした。
パソコン設置
入り口近くにパソコンが設置されていました。モティさんの使っていた物です。まだインターネット設定はできていませんが、ワードで文章を書くことができます。子供たちは学校へ提出のレポートを書くのに使用しているそうです。やっと停電の時間が終わったので、「JAZZ」と言う視覚障害者用のソフトの使い方をルパックが実演してくれました。入力したアルファベットを音声で教えてくれます。間違えて入力した文字を訂正する指示もあります。NBSAのスタッフの方がインターネットの使い方などを教える提案もあり、これから活用されていくと思います。
英語の点字本
2回目にLSGを訪問した時は子供たちはみんな揃っていて、音楽教師のラメッシュ先生も来てくださいました。
神戸シルバーカレッジの英語点訳グループの点訳本、「不思議な国のアリス」、「星の王子様」「マザーグースなどの童謡」を見せました。スナもマニシャも直ぐ手にとって、指を走らせていました。
「マザーグースなどの童謡」には英語点字グループの方が工夫して、ドットで絵を付けてくれました。前日モティさんの息子のアキオ君に色鉛筆で色を塗ってもらいました。
ラメッシュ先生が「あ、これはキャンドル」「これはラム」と直ぐに当てました。風の絵はどうかなと思っていると、「これは雲です、雲です」雲から下方に放射状の線が風を表していたのですが、雲の方がインパクトが強かったのかな?
その後、先生の音楽指導もあり、マニシャとスナの歌と合奏を聴きました。スナは堂々と良い声で歌ってくれました。
お手玉とトランプ
子供たちと一緒にゲームもしました。
五十嵐さんが着物地で作ったお手玉は優しい手触り。2個や3個で投げ上げるのは難しいので、1個のお手玉を左右に投げ合うことに。マニシャは気にいって直ぐに練習を始め、、どんどん早く落とさないでできるようになり、大得意でした。スナはなかなかうまくいかず、苦戦していました。
点字のついたトランプで「爺抜き」をしました。パーティの前だったので、ブスパさんの妹のガンガさん、この建物のオーナーの息子のスイヨグくん(2年生)にも加わってもらい、私たちとスナとマニシャの6人。私たち以外の人たちもルールを知らないのでゆっくり説明。まず配られたカードの中で同じ数字のカードをペアにして中央に捨てます。
次に隣の人からとったカードと同じ物を探すのがなかなか難しい!マニシャとスナにとっては、手の内にあるカードを覚えておかないと取ったカードと同じ物があるか探すのに時間がかかります。
でも、マニシャのカードがどんどん少なくなっていきます!よく観察してみると、なんと、カードを取るときにカード上部にについた点字を上手に探ってほしいカードを見つけていたのです!なかなか賢い!「もう一回!」「もう一回!」と、何回もやりました。
ささやかなパーティ・広がる友達の輪
帰国前日に、LSGのパーティがありました。今回はささやかに、と言うことでしたが、20人も集まり、なごやかなパーティになりました。
ラリグランス奨学生の先輩格の視覚障害者のマドウさん、シャルミナさん、そのお姉さんが素晴らしい歌を披露してくれました。嬉しかったことは、マニシャとスナがすっかり彼女たちと仲良くなったことです。
先生や楽器を挟んで、話が盛り上がっていました。ケイタイの番号も聞きあっていました。もう一つ嬉しいことがありました。
以前ラリグランス奨学生で、現在は病院で働いているルースさんがみんなの健康診断をしてくれました。昨年は血圧計が動かなくて、うまくいかなかったのですが、今年はばっちり!
これからもLSGの健康管理をしてくれることになりました。
ルパックが12年生を終え、寮を卒業するので、新しい寮生が来ます。2013年はLSGはどんな姿を見せてくれるでしょうか。
これからの成長を楽しみにしています。
コープともしびボランティア振興財団からの助成金を拝受。
この助成金は地元での活動への助成と決まっているので、日本で活動する経費は全部この助成金で賄うことができます。
そのため皆様からの寄付金は全てネパール支援活動に使うことが出来るので本当にありがたく思っています。
京都ノートルダム女子大学同窓会より寄付金を拝受
卒業生のボランティア活動に理解を示してくださり、協力してくださっています。
毎年ありがとうございます。
ネパール商品お買い上げ
小林聖心同窓会サークル KOKORO(大和幸子様) いつも気にかけてくださり教会バザーのために仕入れてくださいます。
編み物プロジェクト
編み物プロジェクトでは、素材の選択、編み手さんの希望、購入者の希望などの調整に苦労しています。
ケープは評判ではありましたが、手編みケープより布のショールが売れ筋です。
ネパールの婦人たちに仕事を作ってあげるためには、手編みのものが必要です。
それで、家庭着のチャンチャンコをデザインしてみました。
サンプルが届きました。
綿入れチャンチャンコより軽くてあたたかくこれは重宝できそうです。
2013度のネパール小さなたびは、カトマンズの南東約150Kmにある バルタリ(Balthali)村に出かけました。
参加者は、モティさん夫妻と久堀洋子さんと五十嵐の4人です。
正面の山の頂上に小さく見えるホテルに宿泊しました。
3月25日 一日目
カトマンズ市街地からバクタプールに向かってアルニコハイウェイを東に進み、バネパから右折し南に約6Km進むと観光地パナウチに出ます。ネパール最古の寺といわれるクリシュナ寺院を横目で見ながらさらに南下、そこからは広々とした畑が広がる田園をぬって未舗装の路をガタゴト進みます。
カトマンズから出て走ること約3時間、コパシ(Khopasi)に着きました。そこではネパールで3番目に出来たという水力発電を特別に開けて貰って見学し、あと約3Km車を走らせバルタリ村リゾート(Balthali
Village Resort)というホテルに到着しました。
遠くにはヒマラヤ連峰、眼下に村を一望できるお山の上に建てられた小洒落たヒュッテが宿泊所。
ここは、<ただただ自然豊かなネパールの田舎>というだけの感じで、これじゃ観光客は来ないわねえと言いつつ、肺によどんだカトマンズの汚れた空気を吐き出し、きれいな空気を胸いっぱいに吸い込み、伸び伸びしていると、20人ほどのドイツ人グループが来ていることを発見。
何やら摩訶不思議な雰囲気をかもし出している人たちで、ドアの隙間から覗いてみると、ヨガのグループでした。
ヒマラヤを正面に見られる部屋を陣取り、1人ずつ持参のマットの上に整然と座り、指導者を前にして瞑想しています。
ヒマラヤは春霞の中に絹のショールをまとったような姿を見せ、夕暮れには満月が煌々と宿舎を照らしてくれました。
3月26日 二日目
ヒマラヤの朝焼けをを見たくて朝6時過ぎに起床。屋上から雄姿を眺めることが出来て嬉しかった。
今日は周りの村をウオーキングの計画。約10Km.
お向かいに見える標高約2800mの山頂にナモ・ブッダという寺院があり、そこを目指すハイキングコースもあるけれどそれは敬遠。
新緑の樹木をながめ、ラリグランスやコイララの花を仰ぎ見、足元に咲く可愛い野の花に顔を近づけのんびり歩む。
<バルタリの畦にも顔出すイヌフグリ>と1句。
行き交うドッコを背にした婦人と笑顔で挨拶。
日向ぼっこする老人達とおしゃべりしたり、村落の茶店で休憩すると、子ども達や村人がドッと寄ってきて私たちの一挙一動を珍しそうに見つめ楽しそうにしゃべってる。
平和!
一度足がつって歩けなくなりどうなるかと思いましたが、そ〜っとストレッチをして回復しました。
8時間ほどのウォーキングを終えて宿舎に戻り、熱いシャワーを浴びての〜んびり
。ネパール地ビールエヴェレストをグビグビ。ふ〜!平和平和!
夕食はネパール料理のバイキングです。
美味しかったのは、ビールとチリチキンででした。
3月27日 3日目
今日の空は霞んでヒマラヤが見えなくて残念。でも昨日みられたし良しとしました。
今日のコースは、、発電所のあるコパシまで6Kmぐらい歩いて帰路につくことにしました。
コパシまではタクシーが迎えにきてくれて、荷物はポーターさんが運んでくれることになり、ウキウキウォーキングです。
渓谷に沿って歩きます。
川に架かる長が〜い吊り橋で、サルとイヌの大合戦がありました。高い木に登って逃げたサルに向かってイヌが激しく吼えます。
男達が猿に向かって紐を操りながら石をビュンビュン投げます。サルが農作物など荒らすのでサルを捕まえるとお金をもらえるとか。
猿は敵に見つからないよう高い梢に登り姿を隠してじっとしています。
石はサルをめがけてビューンと飛んで行きますが、あとちょっとという所で顔を掠めるだけです。
30分ほど見物していましたが、諦めて道を進めました。
荷物を背にして働く女性に何人も行き交います。
途中で自然要求が生じ林の中で用をたしたところ、まえから欲しかった大きな松ボックリを1つ見つけて大喜び。でも大事な万歩計を落としました。
昼過ぎにコパシに着きダム湖を見に行きました。堰では若者が遊び、数羽の鴨が泳ぎ、湖から流れた小川で洗濯をする婦人たちを眺めてのどかで平和でいいなあと思っていましたら、水門の横の水のためるところに、ものすごい大量のゴミが浮遊し、中には鴨の死骸と骨がいっぱい混ざっていて驚きました。
帰路は道中賑やかに開けたバネバの街で昼食をとり、カトマンズに6時ごろ戻りました。
2013年の旅は、ネパールの田舎に住む普通の人々の普通の生活に触れることが出来た旅でありました。
普通の観光客では経験できない、平和で平穏な暮らしを体験させてくれた贅沢な旅でした。
私たちは毎年モティさんの家にホームステイさせていただいています。
モテイさんの奥様サンタさんの家庭料理は最高!
サンタさんのお料理をご馳走になった人はみんな口を揃えて美味しい!と感動します。
今回紹介するのはネパール人がレストランで好んで注文する1皿<チキンチリ>です。
☆作り方。(4人分)☆
1.たまねぎ(3個)、ピーマン(4個)を1口大に切ります。
2.辛い唐辛子2本を小口切り。
(写真は辛い唐辛子)
3.にんにく、生姜のすりおろしを各大匙1。
4.鶏もも肉(400g)は一口大に切りコーンフラワー(トウモロコシ粉)塩コショウ、ターメリック(小さじ1)、でまぶす。
5.鍋にSunflower(ひまわり)の油を熱し、鶏をよく炒める。
6.DにBを加えて炒める。
7.Eにたまねぎ、次にピーマンを入れて炒め、トマト2個(ネパールの料理用小さなトマト)を加え、チリソース大匙3と隠し味にしょうゆを少し加えて仕上げる。
8.コリアンダーを散らし出来上がり。。
(写真は日本で買ったコリアンダーです。)
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☆作ってみました!!☆
ひまわり油のかわりにサラダ油を使いました。
辛い唐辛子の代わりにタカの爪2本。
トマトは中の種を除いて使います。
おいし〜い!家族は喜んでいただきました。
が、1人コリアンダーを避けた情けない者もいました。
コリアンダーを入れないと普通のピリ辛料理になってしまいますので、必ず加えるようにしてください。
ネパールではたっぷり一束20円ぐらいで売っていますが、日本では2本で198円でした。
貧困のため教育からはじき出された子どものためのケアは少しずつ進んでいるようですが
貧困の上にさらに眼が見えない子ども達には、支援の眼が届かず彼ら自身と家族は大変な苦労を強いられています。
ラリグランスクラブでは規模は小さいながらもシーンレスの子ども達と着実に歩み始めています。
皆様方からのサポートがあってこそなので、これからもよろしくお守りください。
*ラリグランスクラブは
*LSG(視覚障害児寮)の運営が始まり、寮の維持(借家代、寮母さん給料、光熱費、寮生の食費)に、年間60万円ほど経費が増えました。
*日本での事務経費は公益財団法人コープともしびボランティア振興財団からの助成金で賄うことが出来、皆様方からの寄付金とバザー売り上げ金は全てネパールでの教育支援活動に使うことが出来ます。
*スタッフ一同バザー活動に頑張りますが
ゆうちょ銀行 総合口座への振込み ATMによるゆうちょ銀行口座間の振込み手数料は無料です。 窓口で郵貯口座からの振り込みは手数料140円が必要です。 領収書の発行は出来ません。 |
記号14360 番号68422691 名義 : ラリグランスクラブ 口座の種類 :普通口座 |
ゆうちょ銀行 振込用紙を使っての振り込み メッセージを書くことが出来ます。 住所氏名をお書きください。領収書を発送いたします。 申し訳ございませんが振込み手数料が必要です。 (窓口での振り込み手数料:3万円未満120円・3万円以上330円) (ATMからの振込み手数料:3万円未満80円・3万円以上290円 ) |
振り替え口座番号 00960-7-244821 名義 :ラリグランスクラブ |
ホームページ制作 ラリグランスクラブ代表 五十嵐園子