ラリグランス通信(つうしん) 116号

                    ** 2015/04/11 発行 **                   


                   ☆ Bhotechaur Villegeのネパール紅茶畑 ☆      2015.4.1 photo by sonoko


ネパール視察旅行から無事に帰国しました。

満開の桜を見ることが出来うれしかったのですが

この花冷えの寒さには驚きました。

2015年度の視察旅行参加者は、3人です。

久堀洋子と五十嵐園子と高校2年生になる五十嵐の孫息子の優です。

今年も(あたら)しい発見(はっけん)展望(てんぼう)がありました。

報告いたします。






目  次 ( content )

 1
LSG訪問
 2 奨学生の家庭訪問とパーティ
 3
バザー商品の仕入れ
 4
お楽しみ小さな旅
 
5 
 あ と が き
 



 

 1 LSG(ラリグランス視覚障害児宿舎)訪問


4月28日。ネパールに着いた翌日にLSGに向かいました。

今年のLSG訪問は何と言ってもシャルミラさんの教師就職お祝いがメインです。

   
前列左端がシャルミラさん

LSGスケジュール

 シャルミラさんのスピーチ

6年前、ナムナ校でラリグランスクラブに巡りあい学資サポートを思い切って直接お願いしました。

SLC試験(10年生の終わりに全国一斉に受ける高校卒業検定試験)に合格すれば支援しましょうと言われ、勉強して合格することが出来ました。合格を知らせましたが返事がすぐに来ないので、心配でドキドキしながら待ちました。支援しましょうの返事をもらった時はどんなに嬉しく思ったことでしょう!

お陰で+2を卒業し教師研修校に進学し、去年2014年に政府の公認教師資格テストに合格することが出来ました。

政府から4つの学校を推薦されましたがどの学校も盲目の教師は受け入れられないと拒否しました。推薦されているのにそれはおかしいと、周りの人からも助けてもらって控訴し続け、4ヶ月後にやっと1校から許可がおり無事に教師が出来るようになりました。

今は小学校の教師として働くことが出来、給料をもらって自立の道を歩むことが出来たのです。

目が見えないので子どもたちからいたずらをされたりしますが、辛くはありません。幸せです。

ラリグランスクラブからのサポートが無ければ今の私は存在しません。

感謝の気持ちでいっぱいです。

後輩のみんなも努力を忘れずに一生懸命に勉強すれば道は開きます。頑張ってください。

ラリグランスの皆様。本当にありがとうございました。


歓迎パーテイ

今年から入寮する二人はまだ村の期末テストが終わらないので残念ながら会えませんでした。

でも新入寮生の兄(盲目・シャルミナの友人)がきてくれました。マドゥとアシャが友達と参加。

音楽の先生、家庭教師の先生、アスミタのお母さんも来てパーティが賑やかに始まりました。

歌とダンスとカジャ(モモ、チキンチリ、チョウメン、バナナ、みかん、コーラ、スプライト)です。

   



 今年もLSGに泊まってアスミタ、スナ、マニシャと仲良くなりました。

  
   

KBCから頂いた英語点字本「くまのプーさん」を読んだり、作っていただいた迷路のゲームをしました。

英語文字ビスケットの文字を探りながらの言葉作りのゲームも楽しかった。


 
 朝、3人がドアをノックしそれぞれ何か手に捧げて持ってきました。



  私達へのプレゼントを夜なべして作ってくれたのです。



  A4の台紙にビーズを「WE  LOVE  YOU」と貼って飾り、上に折り紙で折った箱が乗っています。



  その箱を開くとネパールのチョコボールが3個出てきました。



  目が不自由なこの子たちの、私達への、私達にはとても出来ない暖かいおもてなしの気持ちが直に伝わり、感動しました。








    2 ラリグランス奨学生家庭訪問   

 久堀洋子 報告

ネパール訪問をした時は、奨学生の子供たちの家庭訪問は欠かせない行事です。*奨学金をあげるだけではなく、1年間しっかり勉強が出来たかどうか、家庭環境の変化等で勉強に支障が出ていないか、追跡して様子を見ることがとても大事だと思うからです。併せて、1年間たった子どもの成長を目の当たりにするのもとても嬉しいことで、楽しみにしています。残念な事実を突きつけられることもありますが、その体験を教訓にクラブの活動をさらに強くしています。

 

  家庭訪問

今年は大きな変化が。アシャの弟アヌプが家出をし、バスの車掌になり学校をやめてしまったことです(通信114号)。残念ながら今年から奨学金はストップです。

アシャの父親は出稼ぎにいったきり。次いで母親も出稼ぎに行き音信は時々あるが所在不明。


唯一の肉親お祖母ちゃんは昨年死去。アシャは一人になり、現在は学校の友だちの家に時々ステイさせてもらっているそうです。


その友だち二人に会いましたが、アシャととても仲良しで、お互いに信頼しあっているようで、安心しました。


モティさんにアシャの様子を時々見てくれる様にお願いしました。



 



ビシャルは、すっかり背が伸びて、おしゃれなTシャツを着、道にまで出て出迎えてくれました。

去年かわった家はとても清潔な環境とはいえませんが、家の中はきちんと片づき、親戚の人たちも近所に住んでいます。お父さんの動向はわかりません。お母さんは私達の訪問を前にお茶の用意をし、カタ(歓迎様の首にかける布)も用意してくれていました。


そういうお母さんの配慮が不安定になりがちなビシャルをしっかり支えてくれていると感じました。

 

 

シリスティは、ちょっと顔がふっくらして、健康そうでした。彼女がラリグランスクラブの奨学生第1号で、奨学金を渡したのが6才だったので今年でなんと9年目!


病弱で、やせっぽちな小さな少女だったシリスティは、来年1月にはいよいよ
SLC試験受験です。


試験に合格したら働きたいと言っていました。


母親は現在は仕事はしていないが、父親の靴屋もなんとか順調のようです。


ネパールの貧困家庭で両親が揃っていて子どもの教育に理解があるというのは稀です。


日本でも最近問題になっているように、家庭のあり方が子供の教育に大きな影響を与えるように思います。

       




 
奨学生たちとイベント


 

    

 

子供たちへの家庭訪問だけでなく、今回は久々に子供たちに集まってもらって、イベントをすることにしました。

2008年にもイベントをした、コトンジュ村の丘の上にあるお寺、シュワレソールの境内に集まりました。長い長い階段をカジャと果物、飲物、敷物等をみんなで分担して運びました。

参加者は、アシャと二人の友だち、シリスティとお母さん、ビシャルとお母さんと弟と親戚の女の子2人、ラリグランスクラブからはモティさん、サンタさん、アキオくん、優くん、五十嵐、久堀、運転手さんの17名。

 ビシャル達はバスで来るため遅くなっているので、その間に日本から用意してきた、英語のクロスワードパズルをすることに。パズルを印刷した紙とキャップ付き鉛筆、それに書きやすいように厚紙も。食いついてくれるかな?と言う心配をよそに、みんな直ぐに真剣に!隣どうしで頭をつけて話し合ったり、スマホで調べたり。「Eraser!」(消しゴム)

との要求もあり。そのうちビシャルの一行も来て直ぐに加わった。ちょっと覗いてみると、私達が難しかった所は難なく埋めていて、言語感覚が違うのかな?「一番に出来た人には賞品が!」と言うとみんな俄然やる気に!「できた!」とアキオくん。チェックすると、1文字だけ(1語ではなく)ミス!残念!そこでストップ。正解を発表したら、みんな悔しそう!結局全員が敢闘賞品としてキャップ付き鉛筆をもらってニコニコ。

 カジャの準備をする間、優くんの風船芸の登場。

長い風船をふくらませて、端をキュツキュツと交差させて持ち手のついた刀が完成!ビシャルの弟のあげると大喜び!境内にいた子供たちが、集まってきてほしそうな顔。優くんが次々に作って渡すとどの子の顔もほころび、うれしそう。ウサギなども作って技を披露。

 次は風船割りゲーム。モティさんやアキオくんも協力して輪ゴム付きの風船が沢山出来た。試しに足につけると、地面の熱さで、パーン!パーン!と立て続けに割れてしまうので、屋根の着いた所ですることに。そこをねぐらにしているサドウ(修行僧)にどいてもらい、競技の用意をする。競技開始!相手の風船を割りにいっている隙に自分のが割られてしまった悔しそうな子どもや、ひたすら逃げる子など、入り乱れて大騒ぎ!最後に残ったのは、アキオくん!1等賞の賞品が渡されました。

 

 いよいよカジャのタイム。サンタさんが早起きしてお料理してくれた、ネパール定番チキンチリ、ミックスアチャール。それに加えて、バナナ、ミカン、フライチュウラ、コーラ、スプライト。サンタさんやシリスティのお母さん、アシャ達がお皿に上手に盛りつけてくれました。持ってきた敷物をロの字型に敷いて、みんなで輪になって食べました。

サンタさんの心のこもったお料理に、「美味しい!」「おかわり!」の声もあり、すっかり平らげました。風船をもらった子供たちやサドウにもお裾分けしました。

 みんなで協力して片づけ、しっかりゴミを拾い、全員で写真撮影をして、解散しました。



3 バザー商品の仕入れ

今年は、お馴染みになっている店にターゲットを絞り効率よく動きました。

ショール専門店(Real Pashmina Export)、ポーチ専門店(Dream)、衣料雑貨(Smile)、ネパール雑貨専門店(Pilgrim book)という具合です。

あまり安価なものを選ばず、ネパールの特徴のあるちょっとグレードの高い物や珍しい物を中心に選びました。

      

左から、編み物(手編み)、ショール(パシュミナ・絹)、 衣料(手織りダッカ織りベスト・綿ブラウス)、 バッグ(手織り・ 革製)

みなに喜ばれ購入していただけることを期待しています。



4 お楽しみ小さな旅

ボテカウアー村



  

 今年の小さなお楽しみの旅は、カトマンズから20Kmほど北バグマティゾーンにある、Bhotechaur Villegeの1泊旅行です。



 ここにはまだ外国人向けのホテルがないので観光客には知られていません。日本人は初めてという去年出来たという小さな可愛い宿に泊まりました。



 森と段々畑とヒマラヤ(ランタンヒマール山系)。気候も良くて素晴らしいところでした。














   この地には広大な紅茶の農園があり、ここで栽培されるイラム紅茶世界各地に出荷されるそうで、ここには小売店はないです。

   段々畑の下の道路に小さく写っているのは、モティさんと背中にしがみつく優君が乗るバイクです。

        


宿舎ではヤギと鶏が放し飼いされていて、動物好きの優君は一緒に遊んでいました。が、そのなかの雄鶏の命をありがたく美味しく頂いた初体験もしたのでした。

      

夜は燃え盛る薪を囲み、賑やかなネパール音楽ききながらの夕食です。そして酔うほどに踊りだしパーティは深夜まで続くのです。といってもお客は私達とネパール人の労働者のような男の若者が10人ほどで、若者は午前2時過ぎまで騒いでいたそうです。


モティさんのお陰で毎年【小さな旅】から【大きな驚きと感動】を得ることが出来る幸せを心に刻んでいます!!




5 あ と が き

今回の視察旅行では高校生の優君の春休みの関係で、10日間という短いものでした。

それでも恒例のスケジュールを滞り無くこなすことが出来ました。

ビシャル達奨学生同士の交流や、LSGでのレセプションなど密度の濃い旅となりました。

おばさんだけで行くのと若者が加わっているのとでは人々の対応は全然違います。

店の人も道で行き交う人々も大変好意的で親切です。

彼は初めての海外旅行で驚きと感動でいっぱいのようでしたが、

その体験を今後生かせていってほしいものです。






*ラリグランスクラブは寄付金(きふきん)とバザー(など)売上金(うりあげきん)のみで活動(かつどう)しています。

   *LSG(視覚障害児寮)の運営のため、寮の維持(借家代、寮母さん給料、光熱費、寮生の食費)に年間60万円ほど経費が増えました。

   *日本での事務経費は公益財団法人コープともしびボランティア振興財団からの助成金で賄っています。
    皆様方からの寄付金とバザー売り上げ金は全てネパールでの教育支援活動に使うことが出来ます。

   *スタッフ一同バザー活動に頑張りますが皆様方(みなさまがた)(あたた)かいご寄付金(きふきん)をこれからもお(ねが)いしたいです。


ゆうちょ銀行 総合口座への振込み

ATMによるゆうちょ銀行口座間の振込み手数料は無料です。
窓口で郵貯口座からの振り込みは手数料140円が必要です。
領収書の発行は出来ません。

   記号14360 番号68422691 

   名義 : ラリグランスクラブ 
  
   口座の種類 :普通口座

ゆうちょ銀行 振込用紙を使っての振り込み

メッセージを書くことが出来ます。
住所氏名をお書きください。領収書を発送いたします。

申し訳ございませんが振込み手数料が必要です。

(窓口での振り込み手数料:3万円未満120円・3万円以上330円)
(ATMからの振込み手数料:3万円未満80円・3万円以上290円 
  振り替え口座番号 00960-7-244821

  名義 :ラリグランスクラブ

ホームページ制作   ラリグランスクラブ代表 五十嵐園子

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