** 2013.4.19. 発行 **
☆ バルタリ村にて ☆ 2013 .3 photo by Moti Ghimire
桜の花がほころびる頃にネパールに行き
春の嵐で
今は
ネパールではラリグランスクラブの
目 次 ( content )
2013年3月〜4月 ネパール視察訪問の報告
1 | カトマンズの様子 |
2 | カトマンズでのラリグランスクラブ活動 |
3 | ネパールの家庭料理 by サンタ・ギミレ |
4 | あ と が き |
☆ ネパールの政治
新しい首相が決まりました。通信95号でそのことに触れていましたが、予測をされていた通り、党派に属さない無所属の最高裁判官だったキル・ラジ・レグミが選ばれ決まりました。
キル・ラジ・レグミ首相の任期は、制憲議会選挙を実現させるまでの暫定的なものであり、選挙は独立して行われるべきだと公言しています。
(写真上 新首相キル・ラジ・レグミ氏)
それに伴って新しい大臣が10名決まりました。そのうちの1人がモティさんの家の2軒隣のマダブ・プラサド・パウデルさんです。
(写真下 新大臣 マダブ・プラサド・パウデル氏とモティ・ギミレ氏)
この地域の地区長であるモティさんは、同じ町内から大臣が選ばれたと大興奮、大忙しです。「大臣と連絡が取れないがなんとかしてくれ」と警察から依頼の電話がかかるほど。
地域で大臣就任を祝うセレモニーが行われ、私たちも野次馬で参加しました。モティさんは地区代表として挨拶をしました。
パウデル新大臣は、「選ばれたのは青天の霹靂だ。政治家になるのを望まなかったが選ばれた以上は誠心誠意ネパールのために力を尽くしたい」とおっしゃっていました。
また、「安定した国政を目指し、早急に環境問題などに取り組まねばならないが、今一番大切なのは、国民一人一人が国を良くしたいという強い意思を持つことである」と言われ、確かにそうだと同感でした。
。
そんなことで国民は政情の動向を期待半分で窺っているという感じかしら。何年ぶりかで私たちの滞在中一度もバンダはなく街は落ち着いていました。停電は毎日12時間以上ありましたが、これには騒がれもせず私たちも慣れてしまいました。
☆ 相変わらず悪い生活環境
去年から道路整備ということで、リングロード(カトマンズ環状線道路)内の舗装工事が始まり、役所が決めた道路幅に合わせて道路を掘り返し、道路に面した店や家屋を否応無しにつぶしていくという強引なやり方でもう市内は埃だらけでした。
(写真は店先を削りとられた状態 生きた山羊を店の前に置く山羊のお肉屋さん)
確かに去年工事していたところは、アスファルト舗装が終わり道路も広くなっていましたが、まだまだ際限なく工事が続いています。
マスクを2重3重にしても肺まで埃で埋まりそう。ネパール人にもすっかりマスク姿が根付きました。
道路の整備も重要課題ですが、あの川の汚さを何とかしないといけないのではないのでしょうか。ポウデル大臣がおっしゃっていたように、街をきれいにしたいという一人一人の自覚が必要です。どんな境遇の人もゴミのポイ捨てのマナーは守れるはずです。 学校にはゴミ箱が設置されていたので、教師は率先してマナーの教育を根付かせてほしいものです。
☆ パタンのお祭り
カトマンズの南、バグマティ川むこうに位置する古都パタンでお祭りがありました。
この街にくらす人はほとんどがネワール族で、紀元前から彫刻や絵画などの芸術をまもり、町を歩けば仏像や木彫りをつくる工房やタンカを描く職人を目にすることが出来、大人気の観光スポットです。。
今回のお祭りはネパールの文化を高めるための祭りとかで、生き神様のクマリ様もおでましになりました。
パタンに入るのにネパール人は無料で外国人は500円ほど徴収されました。‘外国人に世界遺産を守ってもらう’と書かれたカードを首にぶら下げて街に入ります。「世界遺産は先ずネパール人が守らないといけないのでないかしら?」とぼやきながらウロウロ。そのためかは分からないけれど外国人の姿は少なく、ネパール人が大勢集まってショッピングなどを楽しみ大賑わいでした。
地方色豊かな民族衣装を身につけた楽団がいくつも街中を練り歩き賑やかでした。バイクまでが走り回るのが迷惑だったけれども。
(写真はパタンのダルバール広場 と 生き神様のクマリ様:クマリ様にはだしで近づきお金を払って額づくと、クマリ様が額に紅いチカをつけてくれます。モティさんとサンタさんは敬虔にお参りされました。)
☆ ラリグランス保育園の訪問(幼児の様子と 編み物スタッフとの話し合い)
毎年ラリグランス保育園の新学期が始まった時に訪問していたので、泣き叫ぶ子どもと先生の格闘しかみていず、保育園の運営はどうなっているのかいつも心配させられていましたが、今年訪れた時は学年末で皆落ち着き元気にお歌を歌ったり先生方も明るくて楽しくこれが日常なんだと安心しました。
ラリグランスクラブではLSG(視覚障害児寮)を充実させるため、ラリグランス保育園の1人の先生の給料と少しの食料支援を続けていますが、家賃支援を本年度より止めさせてもらいました。でも、今年また家賃が値上がりするらしく保育園の先行きが心配と先生方から聞かされて胸が痛みました。
保育園児たちと一緒に遊んだ後、先生がラリグランスの編み物プロジェクトの編み手さんでもあるので、新しいデザインを考えたり毛糸製品の打ち合わせもしました。
☆ 奨学生の家庭訪問
子ども達の普段の様子を知るために、奨学生訪問は予告無しで訪問することにしました。
ビシャル・タマン君
ビシャルは、外でネパールでよく見かける仕事がない連中があそぶビリヤードのようなゲームに興じていました。
突然の訪問でビシャルを驚かせました。
(写真は義弟を可愛がるビシャル と 住居の地下にある絨毯工場場で働くお母さん)
ちょっと勉強の成績が不振です。努力はしてもなかなか成績が上がらず本人もやる気を失っている状態でした。
ラリグランス奨学生の目的は、将来の自立した生活のためにSLC試験に合格するためのものですから、怠けて成績がおちれば支援をストップすることになるとお説教しました。
同じアパートにお母さんの絨毯を織る仕事場があり、叔母さん従兄弟たちもいるので家庭的には落ちついた環境にいます。
だから「勉強しなくては、、」といったハングリーな気持ちが希薄なのかもしれません。
幼い時からサポートをすると、本人は支援してもらっているという気持ちは分からず、私立学校に行けるのが当たり前のことになっているのかもしれません。
同じアパートに住む従兄弟が、幸運にも2年下がるけれど私立校にいける様になったのに、それでも学力がついていけず、又公立校に戻る結果になってしまい、ビシャルもことの重大さが少し分かり、勉強を頑張ることを約束させました。時々は手紙を出して励ましてあげましょう。
又、あらためて公立校と私立校の学力の差を見せられて驚きました。
義父は外国に出稼ぎに行き、先日一時もどりましたが田舎に行ったきりだそうです。実の父はビシャルが1歳の時から音信普通とのことでした。
アシャ・タパ さん
弟のアヌプはどこかへ遊びに行っていて留守でした。
家にはアシャとおばあさんがいました。
相変わらず1室だけの貧しい家でしたが二人とも元気に生活しているようでした。
アシャは、SLC試験を来年に控え、背水の陣で勉強に取り組んでいます。
家事も受け持ち、弟と祖母の面倒も見なくてはならない中、成績も上位を保ち、本当によく頑張っています。
来月に外国に出稼ぎに行ったきりのお母さんが戻るということですが、この前の時のようにアシャが情緒不安定になり面倒なことが起こりそうで、モティさんがしっかり見守る必要があります。
(写真は片づけが行きとどかない室内で健気に笑顔で話すアシャ)
シリステイ・ミジャール さん
シリスティの所は、たまたまお母さんからモティさんに電話があったので訪問を知らせました。
そのためもあったのでしょう。シリスティが可愛い花束を用意してくれていて、真新しい白いクルタスを来て出迎えてくれました。お母さんも晴れ着姿です。
シリスティは一時期精神的に不安定な時があったのですが、今は心臓病の具合もよく、明るく元気に育っていました。
やはり両親がそろって娘の教育に協力的なのが一番です。
家も2間で小さいながらも毎年行くたびに壁が塗り替えられていたりして、こぎれいになっていくのが分かりました。
(写真はおしゃれをしたシリスティとお母さん)
4〜5年前、この近くの広場で子ども達と遊んだ時に松林のところで、高さ10センチ以上もある大きな松ぼっくりをいくつか拾いました。お土産に日本に持ち帰ったところ、大人気でバザーで販売したこともありました。
30センチもあろうかと思う長い葉を持つ松ノ木で、その後毎年その松のあるところを捜すのですが松ボックリは見つかりません。
今回、バルタリ小旅行をした時、林の中に1つだけ見つけ大切に持っていたのでシリスティにみせたところ、よく知っているとのこと。そして隣の部屋に行って「これでしょう?」といって持ってきた松ぼっくり!なんと15センチ以上もある巨大!「これしかないのだけれど、これはきれいだから飾っていた」とのこと。
この種の松ボックリは、4〜5年前薪の伐採が禁止になった後、煮炊きをするのに使われるようになって皆が拾うようになったのです。
道理で松林から松ボックリが姿を消したことが分かりました。。
この大きな松ボックリ1つでご飯3人分が炊けるそうです。そんな貴重な松ボックリをお土産にくれました。そして来年までにきれいな松ボックリを見つけたらとっておくと約束してくれました。
(写真は歓迎の花束と松ボックリ)
☆ ネパール民芸品の購入
(写真は左から、モティさんの知人の紹介のバッグの店 商品全部この主人の手作りの洋服店 仕入れた品物の一部)
ラリグランスクラブの運営資金は、支援者からの寄付金と、ネパール品販売とで成り立っています。
支援者の好意に頼ってばかりではいけないので、商品の販売にもいっそう励む心意気で、仕入れに頑張りました。
仕入れは、とても体力と忍耐が必要です。
値引き合戦、品質のチェックなど、それがお買い物の醍醐味という方も世の中にはいらっしゃいますが、私たち二人とも超苦手です。
商品を信頼できる、ラリグランスクラブに好意的な店も決まってきて、大分ラクにはなってきました。
自信を持って販売できるものばかり揃えましたのでたくさんの方に買っていただきたいです。
☆ LSG(ラリグランス セワ グリハ:視覚障害児の寮)の訪問
LSGのことは、通信98号で久堀洋子が詳しく報告します。お楽しみに!
私たちは毎年モティさんの家にホームステイさせていただいています。
モテイさんの奥様サンタさんの家庭料理は最高!
サンタさんのお料理をご馳走になった人はみんな口を揃えて美味しい!と感動します。
今回紹介するのはネパール人も日本人も大好物の1皿<ポコウラ>です。
作り方。(4人分)
1.玉ねぎ(1個)、キャベツ(2〜3枚)、ニンジン(5センチぐらい)を千切りにします。
2.ボイルしたジャガイモ(中2個)を短冊に切ります。
3.にんにく、生姜のすりおろしを少々、塩コショウ、ターメリック(小さじ1)、コリアンダーの葉4本ぐらいを1センチぐらいに切る。
4.1,2,3をボールに混ぜる。
5.Chana Bean Flour(チャナ豆粉)をカップ1〜2ぐらい(4)にいれ混ぜる。
6.Sunflower(ひまわり)の油で(5)を大匙山盛り1ぐらいずつとって揚げる。(油は少なめ。低温で5分ぐらいじっくりと、最後に高温にしてからりと揚げる)
7.チリソースをつけていただきます。
写真は日本で作ったポコウラです。チャナ豆粉はネパールからもって帰りました。ひまわり油はないのでサラダオイルで揚げました。日本で市販されているチリソースは甘すぎな感じ。好みで色々試してください。
子どもはその甘いチリソースで、大人は醤油味または何もつけずに美味しいと好評でした。
チャナ豆粉でなくても、天ぷら粉を使ってもいいかもしれませんが、サンタさんはチャナ豆粉でないとおかしいとおっしゃってました。
天ぷら粉を使うとただの野菜の掻き揚げになってしまうかも。
報告することが多く、一度に書ききれませんでした。
バルタリ村への小さな旅とLSG訪問のことは98号でお知らせします。
色々楽しいエピソードもありますので順番に載せていきます。
2013年度の始まりです。頑張りますので皆様の変わらぬご支援をお願いします。
*ラリグランスクラブは
*LSG(視覚障害児寮)の運営が始まり、寮の維持(借家代、寮母さん給料、光熱費、寮生の食費)に、年間60万円ほど経費が増えました。
*日本での事務経費は公益財団法人コープともしびボランティア振興財団からの助成金で賄うことが出来、皆様方からの寄付金とバザー売り上げ金は全てネパールでの教育支援活動に使うことが出来ます。
*スタッフ一同バザー活動に頑張りますが
ゆうちょ銀行 総合口座への振込み ATMによるゆうちょ銀行口座間の振込み手数料は無料です。 窓口で郵貯口座からの振り込みは手数料140円が必要です。 領収書の発行は出来ません。 |
記号14360 番号68422691 名義 : ラリグランスクラブ 口座の種類 :普通口座 |
ゆうちょ銀行 振込用紙を使っての振り込み メッセージを書くことが出来ます。 住所氏名をお書きください。領収書を発送いたします。 申し訳ございませんが振込み手数料が必要です。 (窓口での振り込み手数料:3万円未満120円・3万円以上330円) (ATMからの振込み手数料:3万円未満80円・3万円以上290円 ) |
振り替え口座番号 00960-7-244821 名義 :ラリグランスクラブ |
ホームページ制作 ラリグランスクラブ代表 五十嵐園子