** 2009.2.6.. 発行 **
水道管工事 カトマンズにて 2008.3. 撮影sonoko
ネパールでは、毎日停電で、暗い日々が続いています。
政治は進展しませんが、治安に問題はなく
ガソリンやガスにも支障はないそうなので
私たちも予定通り視察旅行は決行することに決めました。。
52号目次
1 | ディリさんの出産 |
2 | スマナのコラム |
3 | 支援者への感謝 |
4 | あ と が き |
編物プロジェクトの編み手さんである、ディリ・クマリさんが、肝臓か血液の病に倒れてから、3年近くたちました。(通信 27号 35号 37号参照)
ラリグランスクラブでは、ディリさんの入院などのケアをし、薬で様子を見るまでに回復しました。
ところが昨年末、ディリさんの様子が変なので、ラリグランス保育園のマンジュ先生が病院に連れて行ったところ、妊娠7ヶ月ということが分かりました。
これまでの経過を知っている医者は驚き、このまま出産すると、「母子とも命が危ない。一体何を考えているのか!」と言って、呆れ怒りました。
クラブとしても、もう中絶を薦めるのにも間に合わず、そのまま神様に母子の命をゆだねる覚悟をきめました。
良かれとして行ったケアが、ただ少しの寿命を延ばしただけで、かえって2人の命を亡くすという惨い結果を招いたことになるかと、一同力を落としていました。
ところが、何と、1月24日に、ディリさんは無事に出産し、立派な女の子が誕生したのです。
こんなに嬉しいことはありません。私たちのケアで1人の命が抹殺されたのではなく誕生したのです。
貧しい環境の中での出産。彼女は土作りの小さな家で生活していることを私たちは知っています。
ディリさんの毅然とした自信に溢れた姿を見てください。厩でイエスを産んだマリア様のようです。そして生後3日とは思えない天使のように可愛い女の子!
クラブでは、女の子のこれからの成長を大切に見守りたいと思います。
愛情に包まれて、すくすく成長するサマヤ君。スマナさんからの久しぶりのコラムです。
サマヤ の バート・クワイ セレモニ- スマナ・シュレスタ 記
ネパールでは、日本と同じように、赤ちゃんが生まれた後、様々なお祝いがあります。生まれてから11日目にヌワランというお祝いがあります。その日に赤ちゃんに名前をつけて上げます。
次のお祝いは‘バート・クワイ’です。日本で行う‘お食い初め’のお祝いです。女の子のバート・クワイは、生後五ヶ月になってからしますが、男の子は六ヶ月になってからにします。
この日に赤ちゃんに初めてご飯を食べさせます。赤ちゃんがご飯を食べやすいようにご飯をキール(ミルクとご飯と砂糖を混ぜて作るおかゆ)にして食べさせます。
この日から赤ちゃんにご飯を食べさせる習慣を付けるのです。それから、ゆっくりほかの食べ物も食べやすい形にして食べさせます。
私の息子(名前はサマヤ)が今年の1月で六ヶ月になりました。そして1月8日にバート・クワイ セレモニーをしました。
この日は、ブラマン(ヒンズー教の僧)からバートクワイをするのに良い日だと言われていたので、8日にすることに決まりました。
ネパールにいる両親が連絡し協力してくださったのです。
その日は、朝早く起き、家族の皆はシャワーを浴びます。そして赤ちゃんにもシャワーしてあげます。
私たちが今住んでいる葉山の家には、朝11時ぐらいにお友達も集まりました。それからサマヤにシャワーをしてセレモニーが始まりました。
まずは神様に祈ります。祈りが終るまで赤ちゃんは、はだかのままです。そして赤ちゃんの頭にティカーを付け、新しい服(特別な服です)をあげます。それを着せてからご飯を食べさせ始めるのです。
そのとき赤ちゃんは、家とお母さんの実家からバラ(金とほかの四つのメタルを使ってできて手にするもの)とカルリ(シルバーから出来て足にするもの)とムンドリ(金からできていて耳につけるもの)をもらうのです。
また服やお金などのプレゼントももらいます。
それからみんなで食事をします。
その日は特別なネパール料理をつくりました。
ネパールでお祝いが出来ていれば、親戚みんなが集まって、もっと賑やかなセレモニーになるのですが、日本でもこのセレモニーをすることが出来てよかったと思います。
サマヤもその日は喜んでいました。パパも嬉しそうな顔していました。私の母もちょうど一緒にいたので、楽しさがもっと増えました。
サマヤもご飯をちょっとずつ食べましたし、いつもと違う人たちとも出会いました。
その日のサマヤの姿やバート・クワイ セレモニーの様子を写真を通して見て頂ければ嬉しく思います。
*** コウベコープ・ともしびボランティアへ助成金の申請。
コウベコープでは兵庫県下でボランティア活動をしているグループを支援する助成金制度があります。
兵庫県下の活動に限られていましたが、3年前から神戸を拠点にして行っている国際ボランティアグループにも門戸が開かれました。
早速申請したところ、それが認められてラリグランス活動の日本での活動経費を助成してくれています。
いつも、これは対象外といわれるものがあり全額は認められませんが、毎年6万円余りの助成金を頂いています。
来年度のために8万円の申請を済ませました。
申請書は10枚ほど、活動内容や会計報告など詳しく記入しなければなりません。家計簿もろくにつけたことが無い私と会計係りの久堀洋子さんとで、何度もヒザをつき合わせ制作します。大変ですがお陰でクラブ運営のための諸経費・事務用品などはそこから賄うことが出来、皆様からのご厚志は全てネパールでの支援活動に直接役立てることが出来ています。
*** 通信51号以降の寄付金ご提供
匿名希望者様 2名
いつも変わらぬご好意に感謝します。ご厚志はネパールの人々のために有効に使わせて頂きます。
*** 編物販売ご協力
A.W.E.P(アジア女性自立プロジェクト)から、手袋 30組 と 帽子
通信52号では、二人の赤ちゃんのニュースがありました。
赤ちゃんは、親も国も環境も自分で選べないけれど、全てを母親にゆだねて安心します。
カトマンズは相変わらず電気が点くのは日中と真夜中に各4〜5時間だけで
通電中にしなければならない充電や仕事に追われ大変だそうです。
テレビもずっと見ていないそうです。
「暗い日々の中に、明るい灯を、赤ちゃんが ともしてくれました。」と
モティさんからの報告でした。
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